発表自体は1年ほど前のようですが、最近欧州
OPERAのサイトに掲載された "A Technique to Reduce Electromagnetic Field Radiated by Indoor PLC Systems" という論文があります。著者はスイス(国立研究所)・独(大学)・仏(電力会社)の三国連名。
興味深いのは、INTORODUCTIONで、屋外配線に比べ、「シールドされておらず、(干渉相手まで)距離が短い」「調整の余地がない」屋内配線の方がより厳しいと指摘している点。欧州では屋外配線が地中化又はシールドされているのが当たり前なので、こういう見方になるのでしょう。さらに、総務省の研究会ではPLC使用世帯で使用するラジオなどへの干渉は考慮する必要がないとの意見も出ているようですが、この論文の著者はきちんと考慮する立場にあることが窺えます。
具体的内容としては、接地も含め三線ある屋内配線の接地線までコモンモード電流低減に利用することで漏洩磁界を約20dB低減し、さらに接地線と中性線の間の負荷を適宜変化させることでさらなる低減を狙うという対策を提案しています。
残念ながら、屋内配線が二線しかない我が国ではこの手は使えません。だから、研究会でもPLC使用世帯での干渉から目をそらさせようとしている、と見るのはやや穿ち過ぎでしょうけど。
「便利だ」という魔法の言葉に騙されて導入したはいいが,テレビやラジオの映りが悪くなったり,通信できたりできなかったりという現象に悩まされることになる。スエーデンのゴットランド島での導入実験でも接続できないという事例が結構あったそうです。
「安い,うまい,早い」は吉野屋だけで結構。私は吉野屋の牛丼すら食べたいと思いませんが(笑)
それから,欧州でも電力線が地中化されていないところは結構あります。現在フランスですが,ちょっと田舎にいくと電柱が立っていますよ。都会では確かに地中化されていて空が広い。でも都会でもADSLや光ファイバーがどんどん普及しています。PLCは誰も知らないというのが現実。