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2008-06-08
ドイツ政府 CISPR22改訂案を不承認
CISPRの小委員会Iは,パソコンをはじめとする情報機器などに適用される妨害波許容基準を定めるCISPR22の改訂案に対する各国からのコメントを5月9日締め切りで集めていました。
改訂案の大きな目的の一つは,現行のものであるCISPR 22 Ed. 5.2 (2006)では電源ポートと情報ポートに対する許容値を定めていたものを,両者を兼ねるPLTポートを新たに定義し,PLTポートに対する妨害波許容値(コモンモード電流許容値,Class B)を,1.605?5MHzでは平均値で18dBμA,5?30MHzでは22dBμA,ISNはLCL=24dB,コモンモードインピーダンス=25Ωとするもの (CISPR/I/257/CD)。
これに対し,今月18日からジュネーブで開催されるITU-R WP1A会合に向けた入力文書 (Document 1A/31) によると,ドイツ政府 (German Federal Network Agency)は,この許容値案では,EMC要求を18dB緩和させ,結果として電力線から生じる妨害電界強度が最低18dB強くなるとして不承認との意見を表明したとのこと。
今回のCISPR22改訂提案は,日本と以前のドイツによる提案をベースにしている (CISPR/I/257/CD) ため,ドイツ政府がこの改訂提案を不承認としたことは大きな意味を持つこととなるでしょう。
posted at 20:21:10 on 2008-06-08
by
ohishi -
コメント
ドイツの姿勢が急変したことが不審に感じられるかもしれませんが、CISPR/I/257/CD作成時は主管庁(連邦ネットワーク庁)がきちんと評価していなかったのでしょう。
日本の主管庁は、国際的には同様な理由で昨秋逆の方向に姿勢を急変させていますが、今回のドイツの動向は、日本の姿勢急変の正当性に疑問を投げかけるものと理解すべきでしょう。
コメント1件(追加)
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日本の主管庁は、国際的には同様な理由で昨秋逆の方向に姿勢を急変させていますが、今回のドイツの動向は、日本の姿勢急変の正当性に疑問を投げかけるものと理解すべきでしょう。