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2007-01-27
そんな説明をされても購入者は納得するか?
パナソニックのHD-PLCに関する技術情報として,
「宅内配線と電気製品の影響について」というページが新設されています。ウェブページは1月19日に作成されたものです。
宅内配線が単相3線式である場合の同相・異相により通信できる,出来ない場合があるための説明ページですが,どのコンセントの組み合わせが同相なのか異相なのかは通常分かりません(資格のある人間が専門のツールでも使用すれば分かるでしょうけれども)。
PLCの唯一の売りは
「家じゅうどこでも快適なホームネットワークが簡単に構築できるのです。」ということ。しかし,事実は異なります。
購入したものの通信できないとの問い合わせが多いために,このような説明ページを用意したものと思われます。しかし,素人では同相なのか異相なのかを調べようのないことに基づいた説明をされても納得できる人はあまりいないと思われます。使えないと諦める人はいるでしょう。
「通信できないコンセントがある場合がある」というのなら,無線LANと状況は変わりません。
posted at 23:59:24 on 2007-01-27
by
ohishi -
コメント
学生時代、電気工事士の助手として通線作業(配管に電線を通す作業)のアルバイトをしていましたが、ひと部屋に複数のコンセントがあっても、それらはたいてい同一ブレーカーに接続されていました。
無線LANならひとつの部屋内でも窓際にアンテナを置くなどで疎通できる場合もありますが、PLCで「通信できないコンセントがある」は、「通信できない部屋がある」とほぼ等価といえましょう。
住戸内のコンセントのL1とL2の見分け方です。
6回路以上の分電盤なら通常上側の分岐ブレーカーがL1、下側がL2になっています。
分電盤のカバーを開けると3本の銅バーが中央に配置され、真ん中が中性線、上側の分岐ブレーカーがL1の銅バー、
下側の分岐ブレーカーがL2の銅バーに接続されているのでわかると思います。
(例外もあるので詳細は本文中にも紹介されたパナのサポートページを参照)
先ず分岐ブレーカーを左上から順番に1個ずつOFFにして、停電した負荷をチェックしていきます。
チェックが済んだらONに戻してして、隣の分岐ブレーカーをOFFにして再度停電した回路をチェックしていきます。
これを繰り返して、住戸内の全分岐回路毎の電気配線図を作成します。
ここでL1系統とL2系統か色分けしておくとモデムを配置するときに参考になると思います。
厳密には配線しているルートも把握することが望ましいですが、壁や天井に隠ぺいされているので難しいです。
実際に電気工事をされた方に問い合わせするのも良いと思います。
既に住戸内の電気配線図をお持ちの方でも、設計図や施工図どおりに現場が施工されていないことが良くありますので
前記のようなチェックをされることをお勧めします。
こんな説明を買ってからされても困りますよね。早々に買った人お気の毒様です。
これから買おうと思っている人が、この説明見たら、きっと次のように思うでしょう。
・何かややこしそう。
・うちでは問題ないのかな。心配だ。
・スピードが出るかどうかはバクチなんだ。
・不安要素は無線LANより沢山あるじゃないか。
・やっぱり高速無線LANが出るのを待とう。
「ブレーカーを左上から順番に1個ずつOFFにして、停電した負荷をチェック」は正しい調査方法ですが、「コンセントにプラグを半挿しし、ドライバーでショートさせてどのブレーカーが落ちるか」という誤った調査方法をしている人もいるようです。下手するとコンセント焼損しますよ。
もっとも、正しい調査方法でも「停電」を伴いますから、ビデオや炊飯器などのタイマーが使われていないか確認し、また調査後それを再設定するなどの手間が掛かります。そんなこともあって、松下のサイトでは「正しい調査方法」まで説明していないのでしょう。まさか、コンセントを焼損してくれれば電材シェアトップの松下電工の売り上げが伸びる、という邪な心で説明を省いているわけではありますまい。
こんなページを作らないといけないほど、接続できない苦情がたくさん来るんでしょうね。
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無線LANならひとつの部屋内でも窓際にアンテナを置くなどで疎通できる場合もありますが、PLCで「通信できないコンセントがある」は、「通信できない部屋がある」とほぼ等価といえましょう。