PLTからの干渉に対する80MHz以下の放送の保護基準を定めるITU-R勧告案(
2005-11-18既報)については、ITU加盟190か国中、米1か国のみの反対により次回
総会(2007年10月)より前の勧告化が困難になっているところですが、
情報通信審議会情報通信技術分科会ITU?R部会放送業務委員会(第21回)に提出されたWP6E会合報告書によると、米主管庁は同会合で、「米ではPLT は屋外が主であり、屋内の計画は見られない」と説明したとのことです。
もともと、米FCCは競争促進を主目的にCATV、DSLに続く第三のブロードバンドアクセス手段としてBPLを導入したと言われてきましたが、屋内系を無視する発言はそのような見方を裏付けるものでしょう。
しかしながら、そのような狙いに反しアクセス系BPLも低迷しており、FCC自身、高速インターネット統計において光ファイバーを切り離してその普及を誇示するとともに、BPLの低迷を隠さなくなったことについては
2006-04-23既報のとおりで、光ファイバー864,831加入、電力線その他4,872加入と大差がついてしまっては、もはや「第三のブロードバンドアクセス手段」の地位は光ファイバーだということですね。
なお、同委員会に提出されたSG6会合報告書によると、バチカン市国は「HFサービスに頼っており、この問題に重大な危惧を感じている」旨、SG6会合において発言しており、カトリックの総本山としてもPLCへの懸念を表明しています。