国際電気通信連合無線部門(ITU-R)の放送関連会合が4月27日から5月4日までジュネーブで開催されました。
PLC関連の審議はWP6Aという会合で行われました。PLCに関する寄与文書は,PLCに懸念を示す放送事業者(北米,カナダ,英国,バチカンなど)とPLCを推進する日本と米国からたくさん提出されました(ITU-Rに提出された文書はアクセス権がないとダウンロードできませんので,ここでは示しません)。
日本からは,異議申し立てで国側が証拠として示した漏洩電波の実測値(
パナソニックの工場敷地内と
きんでん学園内で得たデータを英訳したもの)が提出されました。
一方放送事業者のNABAからは,カナダの公的測定機関が実施した一般住宅に設置した屋内PLCによる漏洩電波の実測値が提出され,周囲雑音に比べて大きく超過する例が多数示されました。その一例として,HD-PLCを用いた時の漏洩電波測定例を示します。

NABAは,実測データに基づいて,屋内PLCからの漏洩電波は周囲雑音を30-40dBも超過し,短波帯通信を妨害すると結論しています。
注目に値する文書はBBCが提出したものです。BBCは,2?3月にソウルで開催されたWP1A会合に日本が提出した文書にあった聴感試験結果を精査し,その結果,
日本のPLC技術基準が許している漏洩電界強度では短波放送の聴取が困難になるという結論を導いています。