JARLは6月6日付けで市販PLCアダプタ(パナソニック BL-PA100KT)を用いた
実験結果を公表しました。実験は,2007年2月に東京都大田区と多摩市の2箇所で実施しています。
アマチュアバンドへのPLCによる妨害に関しては,従来から報告されている内容とほぼ同じです。
一方,アマチュアバンド外の帯域に対する影響に関しては,
大田区でも
多摩市でも21-28MHzにおいて
背景雑音に対して顕著な漏洩の超過が見られることをJARLも確認しています。
これについてJARLは,
大田区での実験に関しては「背景雑音レベルが高い周波数帯では,モデムのON,OFFによるノイズ変化を聴感でも確認することはできませんでした。」としています。多摩市の場合については,
「多摩地区では背景雑音が少ないために,漏えい電磁界が背景雑音レベルを上回るためPLCの放射電磁界が雑音として浮き出てきます。」としています。
アマチュアバンド内にはノッチが入っているために大きな問題は出ていないということですが,国の許容値はアマチュアバンド内にだけ適用されるのではなく,2-30MHzの全ての周波数でPLCによる漏洩電界が背景雑音を越えないのならば懸念する人々を説得できるだろうということで策定されたものなのですから,一部でも背景雑音を越える周波数範囲があれば許容値を満たしていないということになります。