HF-PLC Watching Site

2005-11-18

ITU-R、SG6が作成した勧告案の同時採択承認手続きについて回章

ITU-Rは18日、Doc. 6/229(Rev.1)「80MHz以下の放送システムを電力線通信システムに起因する混信から保護するための要件」を含む10月のSG6会合で作成された勧告案7件の同時採択承認手続きについて、加盟する189か国あて回章(pdf)しました。

研究会第8回で小林構成員(ARIB)から、別のITU-R勧告に関し「妨害を与える側の立場の方々も全部集まって合意したものかというと、そうではないと見ている」と発言がありましたが(議事録(pdf))、今回のDoc. 6/229(Rev.1)の場合、PLTからの保護という目的を明示し全主管庁から異議なく承認された研究課題32/6の下で作業が行われてきたこと、SG6傘下のWP6E(地上放送を所掌)とWP1A(スペクトラム工学技術を所掌)との間で進捗状況を逐次連絡し合ってきたこと、最終版とほぼ同じ案文が半年前の会合で示されていた上、10月のSG6では五大陸すべてからG8各国を含む約30か国が参加し、全会一致で勧告化を進めることにしたことから、各国とも反対する余地はほとんどなく、3か月間の手続きが終る2月18日にはすんなり勧告化されることが期待されます。PLC-Jとしても松下電器や三菱電機などの主要メンバーがITU-Rの部門構成員として状況を把握していた上、研究会でも資料3-3(pdf)や資料5-2(pdf)など再三紹介されていましたから、いまさら総務省に泣きついても遅いでしょうね。

内容については武藤さんのサイトで紹介されていますが、あくまでも放送受信の保護のためのものですので、アマチュア等の他業務(の周波数帯)には適用されません。この勧告が成立すればアマチュアやCB、漁業無線なども自動的に保護されると考えるのは早計ですので、必要な方は忘れずパブコメを提出しましょう。
23:56:20 - jr9mfk - コメント0件(追加)

産業界からも厄介もの扱い

JEITA VISION 2010(pdf)が公表されました。

JEITAはPLCの今後の展望についてどのように考えているのかと思いつつ読み進めていくと、4ページの「電子情報技術産業が対象とする製品・サービス」に「電灯線」の文字があるだけで5ページの「技術の変遷」には出てこない。ようやく出てくるのは業界横断的課題としての「安全分野」だけ。

「安全分野」と言えば聞こえはいいけど、裏返せばきちんと課題を解決しないと危ないという危機感をJEITAも抱いているということ。

そういやJEITAは総務省の研究会に構成員を出してないだけでなく、JEITAの会長会社もPLC-Jにも加入せず、少なくとも表立ってはPLCを開発していないようです。医用電子機器でそれなりのシェアを持ち、あまり知られていませんが業務用の短波受信設備も製造していますから、ある意味当然ですけど。
12:06:15 - jr9mfk -

電子情報通信学会会員さんによるコメント:

CISPRでも厄介者扱いです。

お久しぶりです。電子情報通信学会会員です。
11月15日 東京恵比寿のウェスティンホテル東京で「北川工業株式会社」さんのプライベートな展示会がありました。この会社はEMC関係その他の製品を製造していて、関連する会社、組織の関係者を招いて展示会を10日大阪、15日東京、18日名古屋でやりました。完全にプライベートにしたいらしく、インターネット等では完全非公開でした。私は、知っている方から、来てくれ、との事で、お伺いしました。具体的には11月15日1550JSTから「マルチメディア機器の電磁ノイズ問題とEMC規格の動向」ということで、NTTアドバンスドテクノロジの雨宮不二雄氏の講演がありました。
 地下2階の会議室に300人くらい集まり、話を聞きました。推進派会社の方々も多くいました。もっとも、雨宮様はどういった人がいるかわからない会合なので、極めて慎重に中立な立場から説明していました。54ページのPPTのうち、14ページがPLCに関する説明でした。PLCの説明に関して今後、記入します。
 まず、PLCに関する国際標準化機関として、CISPR、ITU-T、ITU-R、IEC/TC77を挙げています。その後、CISPR/Gのサンクトペテルス会議のドイツのRegTPの警告文書の説明が出てきます。
 そして、青梅街道での試験や(多分、高松飛行場跡にあるネクスト四国の電波暗室で四国電力がやった実験結果;私の推測)別の試験のデータが出てきました。
 このHPを見ているのか、PLC推進会社のモデルの電灯線というか、試験をする電灯線が異常に短いのはCISPR22 ANNEX.Cに規定されているもので推進派が試験している.....とのことでした。(もっと正確に言うと何も検討していない....とのことでした)この辺は、推進派の測定方法にクレームをつけなければいけませんね。
 LCLについては、EUは30dB、JAの90%値は25dB、99%値は16dBとのことでした。
 で、2004年上海会議において、30dB,25dBのCDV(COMMITEE DRAFT FOR VOTE、これは規格になる=強制力がある)では、CISPRですら、「相手にならない、ダメ」とのことで、否決、そこで、議長さんがPAS(PUBLICLY AVALABLE SPECIFICATION=これは強制力がない)を出したところ、これすらダメとなった、とのこと。
 実は、このPAS案には、実はCISPR22の表1-4を満足すること....と書いてあったとのことです。これが推進派に「激震が走った」と雨宮さんは言っていました。つまり、推進派はCISPRすら踏みにじる大出力送信を「当然として」考えていたとの事でした。CISPRが推進派を守っている....との、私の理解は壊れ、推進派はCISPRお父さんたちをも踏みつけて大出力送信をするつもりだったらしいです。CISPRお父さんたちは、推進派を擁護しているつもりが、実はコケにされていたんですね。面白いもんだと思いました。
 要は、CISPRですら、CDV何てトンデモない、PASすら拒否、相手にしていない...とのことでした。
 なお、今年6月のプエリトルコ会議ではプロジェクトが出来たそうです。10月のケープタウン会議では、PLCに関し、課題が6点あり、(その全てを講演会では教えてくれなかった)?各国の配電系の差異、?影響を受ける機器の特定、?それらの保護レベルの特定、(あとの3つは不明)に関し、スケジュールを決めたそうです。
 なお、極めて中立的ながら、PLCに愛想をつかしているのが感じられました。CISPRですら........
(投稿日時:2005-11-18 23:49:58)

JS1KQQさんによるコメント:

遅ればせながら、JEITA会長の会社はPLC-Jのメンバではありませんが、別のところで関わっています。
http://itpro.nikkeibp.co.jp...
ご参考まで。
(投稿日時:2005-11-20 23:33:27)
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中部電力の「漏洩電界低減技術実証実験」は金属網内で!

東海総合通信局によると,「中電のPLCの実験は建物を金属(金網も含む)で覆った特別の箱の中で実施し,外へは電波は出ないようにして行っている。このような実験データは参考にならない。」とのこと。
どれだけ漏れるかを測らなければ実験の意味がないだろうに。金属の網に入った家なんて,ふつう,存在しないと思うんだが。
03:34:39 - ohishi - コメント0件(追加)

PLC 無くても全然困らない(by CIAJ)

CIAJ次世代情報家電ネットワークタスクフォース報告書が公表されました。「近距離にある無線機器同士が自動的に最適なネットワークを構築し、利用者が機器同士の通信を意識することなくこれを利用」というシーンを想定したものでPLCはもともと対象外とはいえ、2015年に必要だと想定されるHDストリーム27本(無線27ch)に対し不足する9chの当ては「より高速な無線LAN方式」。PLCなんて<参考資料2 標準化動向の調査>の片隅に載せてもらっているだけで本文ではひとことの言及もありません。

研究会第10回、資料10-8(pdf)で小海構成員(日本経団連)が「電子レンジとの干渉問題」を主張したのに対し、林構成員(日経ラジオ社)は「電子レンジからの干渉を受けない5GHz帯無線LANも普及している」と反論し、小海構成員は「5GHz帯無線LANとPLCは併存していく」とかわしましたが、5GHz帯に限定し、林構成員が追及しなかった資料10-8記載の「複数の部屋間の通信性能低下問題」まで考慮したCIAJ報告書でも、PLCなんて全然当てにされていません。
00:00:00 - jr9mfk - コメント0件(追加)